【緊急時】食事中の高齢者が誤嚥し、窒息した場合の対応とは!?

私達が生きてゆく上で必要なことの一つとして『食べる』という行為があります。

しかしながら加齢や病気、障害などによって、健康な時のようにスムーズに食べられなくなることも。そうなってくると気をつけなくていけないのは、誤嚥(食物が食道ではなく、気道に入ってしまうこと)して、窒息してしまうこと!

高齢者が餅を食べて喉に詰まらせた・・・。なんて話はよく耳にしますよね。

そうならない為に、高齢者に合わせた様々な食事形態がありますが、実際に窒息してしまった場合、介護する側は何ができるのか?

今回は、高齢者が食事中に誤嚥して窒息してしまった場合の対応を紹介していきます。

正しい食事介助の方法はこちらをご覧ください
【食事介助マニュアル】正しい食事介助の方法とは!?

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窒息とは

窒息とは息がつまったり、酸素が欠乏することで、呼吸が止まることをいいます。

出典:主な不慮の事故の種類別にみた死亡数の年次推移(厚生労働省)(URL:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/furyo10/01.html)を加工して作成

上図は1996年~2008年の不慮の事故の種類別にみた死亡数の推移です。図より、交通事故の死亡者数は技術の発達などにより、年々減少していることがわかりますが、窒息で亡くなる方は年々増加傾向にあります。
高齢者の割合が増加しているため、窒息で死亡する割合が年々増加傾向になるのは当たり前なのかもしれません。しかし、在宅で介護をしている方の多くが、窒息時の対応を知っておくことで、窒息での死亡者数を減少傾向にすることができるかもしれないのです。

呼吸が止まってからの経緯

呼吸が止まることはどれほど危険で、呼吸が止まってから人はどういった経緯をたどるのか?Wikipediaに参考文面がありましたので、ご紹介していきます。

※文中のチアノーゼとは、血液の中の酸素が欠乏して、皮膚や粘膜が青黒くなることを指します

窒息に陥った場合速やかに応急措置を加えなければ患者は仮死状態、死へと向かう。死亡までの主な症状の推移として 呼吸困難チアノーゼ呼吸停止の経過をとる。

第I期、数秒~数十秒

血中の酸素、二酸化炭素濃度に異常が生じ、症状が現れるまでの期間、息切れ、軽い呼吸困難を伴う、症状はまだ弱い状態。

第II期、30秒~

急性呼吸困難、チアノーゼ、血中の二酸化炭素濃度は急激に上昇する。血圧、脈拍の上昇、さらに進行すると痙攣脱糞を伴う。激しくのた打ち回る。

第III期、60~90秒

意識の消失、昏睡状態、筋肉の弛緩、仮死状態に陥り、これより進行すると回復は望めない。

第IV期、1分

呼吸中枢の機能停止、末期状態、喘ぐように10回ほど呼吸を試みた後に呼吸が止まる。これをチェーンストーク(終末呼吸)と呼ぶ。

第V期、数分~15分

心肺停止、死亡するまではさらに30分ほど要する。

引用:wikipedia

窒息してからは1秒の遅れが生命に関わってきます。介護をする側は、窒息を確認後、迅速な応急措置をする必要があるのです。

窒息を示すチョークサインとは

チョークサインとは、以下のイラストのように、両手で首を抑えるようなポーズをとり、息苦しいことや窒息を周りに知らせる万国共通のサインを指します。

普段から在宅で介護している場合、窒息時にはいつもと様子が異なるため、チョークサインを知らなくても異変には気付くと思いますが、チョークサインを知っておくことで、より早く変化に気づくことができるかもしれません。

チョークサインのような窒息していると判断した場合、対応方法はいくつかありますが、全てに共通していることは『喉につまって気道をふさいでいる食べ物をなるべく安全に取り除く』ということです。無理をして喉を傷つけてしまってもいけないので気をつけましょう。

では、窒息した場合の対応をいくつか見ていきましょう。

窒息した場合の対応

窒息した場合、人は咳き込むことで窒息の原因を取り除こうとします。

咳きを込む行為が窒息において一番有効な手立てであるため、咳き込める場合は、前傾姿勢をとるように促し、背中をさすってあげたり、軽く叩いてあげるなど、自力で吐き出させるための支援を行うようにしましょう。

以下では、一人で窒息状態を解消できない方(咳き込めない場合など)への対応方法を紹介していきます。

指で取り除く

1.口を開けてもらいます(パニックに陥っている場合は、介助する方の指を使って開きましょう)

2.窒息の原因が目に見えるところにあるかを確認します

3.窒息の原因が目に見えるところにあり、かつ、指で掴めそう、かつ、取り出せそうであれば、指を入れて窒息の原因を取り除きます(傷つけないためや衛生面のために、ビニール手袋があれば使用しましょう)

喉を傷つけてしまう恐れがあるため、絶対に奥に指を奥まで突っ込まないようにしてください。ちなみに、窒息時のほとんどの場合、喉に詰まった食べ物はとても奥にあり、目に見える位置にないため、この方法はほとんど使う事がありません。

しかしながら、身体への影響を考えると一番安全な方法であるため、紹介させて頂きました。

タッピング(背部叩打法)

指でつかめないような場合は、タッピングを行います。

1.窒息した高齢者に背中を丸めた状態になってもらいます(頭が胸より下の位置になるように頭を下げてもらいます)

2.介護する側は片手をお椀のような形にし、窒息した方の二つの肩甲骨の間の部分を叩きます。(手の付け根あたりで叩きます)

注意点として、手を平らにして平手打ちをするのでは痛いだけであまり効果がありませんので、水を手ですくうような形にして叩きます。

ハイムリック法(腹部突き上げ法)

ハイムリック法は腹部突き上げ法とも呼ばれ、読んで字のごとく腹部を突き上げることで詰まった食べ物を出してもらう方法です。

1.介護する側は窒息している高齢者に後ろから抱きつくような形になります。

2.窒息している方のへその真上辺りに片手を回します。

3.介護する側は片手で握りこぶしを作り、もう片方の手で握りこぶしを包むように掴みます。

4.窒息している高齢者の腹部を握りこぶしで下から手前上方へ押し上げるように腹部を圧迫します。この動作を何度か繰り返し喉につまった食べ物を出してもらいます。

注意点として、これを行うことにより内臓を損傷してしまうことがあります。実施後は必要に応じて医療機関を受診するようにしてください。

掃除機吸引

掃除機

タッピング法やハイムリック法は、窒息の原因を取り出すために力が必要になってきます。しかし、老々介護などの介護状況では、力を入れることが困難で、十分に効果を発揮できない可能性があります。

そこで、掃除機吸引といった方法をご紹介します。掃除機吸引は、他の器官を傷つける恐れがありますので、最終手段として実施してください。また、掃除機のノズルは大きく、衛生的ではないため、以下のような吸引専用の道具を万が一に備え、常時しておくようにしましょう。

1.ノズルを掃除機のホース先端に接続します。

2.掃除機のスイッチは入れずに、ノズルの先を口の中に(喉に向けて)差し込みます。

3.窒息した高齢者の鼻をつまみ、短時間(1秒ほど)掃除機のスイッチを『弱』で入れます。

この動作を何度か繰り返します。注意点として、最近の掃除機は吸引力が強いので『強』ではなく必ず『弱』で行って下さい

吸うのは1~2秒程度にしましょう。強い吸引力により肺胞を損傷してしまいます

掃除機吸引後は念のため医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。単に窒息の対応方法といっても色々な方法がありますね。

順番としては、

・口の中を確認して指で取り出す。
・タッピング
・ハイムリッヒ法
・掃除機吸引

という順で行っていくと、身体にかかる負担が少なく、よいでしょう。

以下に窒息対応方法の分かりやすい動画がありましたので、動画で見たいという方は参考にしてください。

窒息した状態は一刻をあらそう緊急事態です。周りに協力者がいれば、救急車を呼ぶことはもちろんのこと、その場で可能な限りの対応ができるように、日頃から最悪の事態を想定した動きを予習しておくようにしましょう。

また、誤嚥しないために食事前に確認しておくことなども参考にしてみてください。

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