着脱介助でお悩みの皆さんこんにちわ!
かぶりの上着や前開きの服の介助方法といっても、いろいろな種類の服がありますよね。しかし、基本的な介助時の手順はどれも同じです。そこで今回は、かぶりの上着と前開きの服の着脱介助方法を紹介していきます!
着患脱健(患部の方から着て、健康な方から脱ぐ)を忘れないように、無理なく着脱介助してくださいね。
※ズボンや浴衣の介助についてはズボンと浴衣の着脱方法を分かりやすく解説をご覧ください!
目次
かぶりの服の着脱方法

まずはじめに、かぶりの服、セーターなどを着る時の手順を紹介して行きますが、先に言っておくと、あまりにも拘縮(こうしゅく:関節が硬くなって動きが悪くなること)が強い高齢者の場合は、無理に腕を動かして服を着てもらおうとすると骨折に繋がる可能性も高いため、かぶりの服を着るのは避けたほうがよいです。
拘縮が強い高齢者には前開きの服を用意するなどして、苦痛のないように着脱介助をしてくださいね。
かぶりの服を『着る』時の手順
1.かぶりの服の患側の手の方(高齢者にとって)の袖口から、介助者は手を入れて少し袖を手繰っておきます
2.服の中で介助される人の手を包み込むようにつかみ、迎え手で袖に手を通します
3.反対側の手も通してもらいます
ご自身で通せないような時は、同じように迎え手で袖を通します。
4.前屈みになってもらい、頭を通していきます
5.背中の部分を引き下げて整えます
最後に着心地を聞いて、細かい部分を整えたら、これでかぶりの服の着る手順は完了です。
かぶりの上服『脱ぐ』時の手順
続いてはかぶりの服を脱ぐ手順です。
1.介助者は高齢者の健側の裾から手を入れ、介助される人のひじをかぶりの服の中で曲げた状態にします
服の中に腕を引き入れるようなイメージです。服の中では片腕が、腕部分ではなく胴体の部分に来ている状態です。
2.ひじを曲げたまま服の脇下部分を袖に近づけていき、腕を袖から抜きます。
3.かぶり服の袖を脱いだ側を肩まであげて、介助される人に前屈みになってもらい、衣類の襟ぐりをつかみ、頭から抜きます。
介助される人の後頭部から脱がすような形です。
4.患側の腕から服を抜きます。
これでかぶりの服の脱ぐ手順は完了になります。
前開きの服の着脱方法
続いては前開きの服の着脱方法を紹介していきます。
前開きの服というのは、かぶりの服と比べてとても着やすい、着せやすいため、冒頭で紹介したように拘縮の強い高齢者は前開きの服をおすすめされて着ている場合が多いです。
前開きの服だからといって安心しすぎず、注意して着脱介助を行って下さいね。
前開きの服を『着る』時の手順
前開きの服を着るときも、かぶりの服と始めは同じです。
1.患側の袖口から介助者の手を通して手繰っておき、患側の手を包み込むように持ち、服を肩の付近まで通します
2.背中側から服を回して健側の袖も腕を通します。
この時、健側の腕にも拘縮があり通しにくい場合は、すでに通した患側の服を肩に手繰りよせる事で、健側の腕を通し易くなるはずです。(無理やりやると骨折につながるため注意)
3.肩まで着てもらったら、袖が腕の正しい位置になるように調節します
衣類の着心地は良いか、突っ張り感や不快感はないかなどを確認することも忘れないようにしてくださいね。
4.ボタン等を留めて、前開き服の着る手順は完了です
前開きの服を利用している方は、一部の動作を一人でもできる方が多いため、時間がかかったとしても、できる部分はなるべく自分で行なってもらい、過剰介護になるのを避けましょう。
前開きの服を『脱ぐ』時の手順
続いては前開きの服を脱ぐ手順です。
1.ボタン等を外します
この場合も、できればご自身でしてもらえると良いですね。
2.前が開いたら、両肩の部分を脱がすように少し下げます
3.健側のひじを曲げてもらいながら、袖から腕を抜きます。
4.服を患側に寄せ、患側の腕から袖を脱がせます。
これで前開きの服の脱ぐ手順は完了です。
まとめ
かぶりの服と前開きの服の着脱方法、いかがでしたでしょうか。
麻痺があったり、拘縮が強かったりと高齢者の身体は人それぞれ違います。
かぶりの服や前開きの服が着せにくい、着せる時に危ないと感じているのであれば、ベッド上などで寝たきりで過ごされる高齢者にもおすすめな介護用に作られた介護服を利用してみるのもひとつの手です。
一人一人の高齢者にあった服を使っていけると良いですね。
最後まで閲覧ありがとうございました。
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投稿者プロフィール

- 介護福祉士
- 有料老人ホーム勤務を経て、現在は老健にて従事。訪問介護の経験もあり。特技は爪切り。
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