食事拒否!高齢者がご飯を食べてくれない原因と対策8選

食事介助をするとき、スムーズに食べてくれない方に困惑することはありませんか?

食事は大きく分けて、①食べ物を食べ物だと認識する、②口の中で食べ物をまとめる、③飲み込むという3つの要素で構成されています。これには正確な判断力や高度な嚥下機能が必要とされており、認知症などでこうした力が鈍ってしまうと食事が難しくなることがあるのです。食事は一歩間違えば誤嚥や窒息に直結し、命にも関わるもの。小さな「おかしいな」を見逃さないよう、どこがどう苦手なのか食事場面からきちんと評価することが大事になります。

以下に食事がうまくいかない原因8パターンを紹介します。観察ポイントと対応策も併せてご確認下さいね。

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食事がうまくいかない原因8パターン

何かに気付くナースさん

食物を認識できていない・食べていることを忘れてしまう

食べ物を食べ物と認識できないと口を開けてくれないことがあります。私たちだって、何かわからずに口を開けるのは怖いですよね。この場合、しっかり食事を目視できるようにしつつ、「お魚ですよ」など声かけしましょう。それが何なのかを伝えてあげることで安心して口の中に入れることが出来ます。

口の中に食べ物を入れたままぼーっとしてしまう時は、食べていることを忘れている可能性があります。そのまま放置してしまうと誤嚥や窒息のリスクがありとっても危険!「口の中に食べ物がありますよ」、「よく噛んで飲み込みましょう」と声をかけ、注意を促してあげてくださいね。

声かけだけでは分かりにくい場合、唾液腺をマッサージしてみましょう。顎下腺や舌下腺、耳下腺などがあり、指先でクルクルとマッサージしてあげることで飲み込みを促すことが出来ます。試しに耳たぶの少し下をマッサージして見て下さい。唾液が出てくるのが確認出来ると思います。

食事に集中できない

認知症の方に多いですが、周囲の物音や人の気配が気になって食事の手が進まないことがあります。キョロキョロとして落ち着かなかったり、物音に合わせて動きが止まるような場合はその影響が考えられます。刺激の多すぎる環境では食事に集中できないので、人が少ない場所に移動する・テーブルを壁付けにし、他の人が視界に入らないようにするなどの工夫をすると食べること専念しやすくなります。

食事の形態が合っていない

常食?ミキサー食?高齢者の食事形態とその理由とは!でも紹介していますが、高齢者は大きな固形物を食べにくいことがあります。

脳卒中などで嚥下の筋肉が麻痺している方であれば尚更です。常食でいいのか、刻み食がいいのか、ミキサー食がいいのか、トロミをつけた方がいいのかなど、その方の嚥下能力に合わせた食形態に変更する必要があります。こうした形態の判断は言語聴覚士の得意分野です。うまく飲み込めない・ムセてしまうなど、スムーズに食事が出来ないときは一度相談してみると良いでしょう。

食の好みが合っていない

高齢者のみに関わらず誰しも言えることですが、「嫌いなものは食べたくない」ですよね。もしかしたら、あまり好みでないものが食卓に上がっているのかもしれません。ご本人やご家族から好物は何かを聞いてみると良いでしょう。

栄養制限がある場合や、薬との食べ合わせが悪い場合もありますので、食事内容を変えるときは医師や看護師さんに相談してみて下さいね。

そもそも目が覚めていない

眠たい状態で食事をしている方もよく見かけます。高齢者の場合、不眠や生活リズムの崩れなどから昼夜逆転している方も少なくありません。

24時間を通してどのような生活リズムを送っているのか、夜間はよく眠っているのかを見てみると良いでしょう。そこでもし問題が見られるようであれば、きちんと睡眠が取れるように昼寝を減らす・昼間の活動性をあげる・眠剤の量を調整するなど、生活リズムを直す工夫が必要になります。

眠い中で食事を行うのは窒息させようとしているようなもの。しっかり目が覚めていることが、食事を行う上で前提条件となります。

食事の量が多すぎる・お腹が減らない

もともと少食なのに多量の食事が出されていて残してしまう、という方もいます。これまでの食事摂取量(少食だったのか、大食いだったのか、普通だったのかなど)や、必要となる摂取カロリーから考えて、その方にとって妥当な食事量はどのくらいなのかを考える必要があります。栄養士や看護師に相談するのがオススメです。

摂取カロリーが必要カロリーに及ばない場合、市販されている高カロリー補助食品(ジュースやプリンなど)でおやつの機会を作るなど、食事場面以外で栄養を補う方法を検討されても良いでしょう。

また、食事を残してばかりいるのは何故だろう…と心配していたら、こっそり間食していて常に満腹状態だった…という方が稀にいます。食事は残しているのに何故か体重が変わらない・むしろ増えているなどの場合、その可能性があるかもしれません。無計画な飲食は栄養バランスが偏ったり、病気のリスクが上がったりする可能性が考えられますし、間食のせいで大事な食事が取れなくなってはとても健康的とは言えません。程々にしておきましょう。

姿勢が悪くて食べにくい

食事をする上で姿勢はとても大事です。例えば、首を後ろに反らせてから唾を飲み込んで見て下さい。この場合、しっかり嚥下することが難しく、食物を誤嚥しやすくなります。また、首をグッと下に曲げてから唾を飲んで見て下さい。これもまた、飲み込みにくいですね。

首回りの筋力低下や疲労などからそうした姿勢になってしまう方もいます。背もたれのある椅子を使うなど、その方に応じた工夫が必要です。このあたりは個人差が大きく、対策も人それぞれなので、リハビリスタッフなどに確認してみてくださいね。

口の動きが乏しい

食事は、噛む・食塊を作る・飲むといった動きが必要であり、口腔内の器用な動きが求められます。口の周りにはたくさんの筋肉がありますから、定期的に体操して一連の動作がスムーズに出来るよう準備しておきましょう。

嚥下体操は食事前に行うのがオススメです。

・舌をできるだけ出して、唇の周りを5周させる。反対回りでも同じように。

・口を閉じて頬を膨らませる・頬をすぼめるを5回ずつ

・パ、タ、カ、ラ、と口を大きく動かしながら発音する(5回ほど)

こちらの「嚥下体操」にもわかりやすくまとめてくれていますので、参考にしてみてください。

食事は生き甲斐や楽しみになる

手作り弁当を食べるおばあさん

拒食は医療や介護現場でもよく見られますが、拒否するには何かの理由があります。ですが、その理由をうまく言語化出来ない方も多いです。表情や様子をよく見ること・食事以外の生活背景を知ること・観察ポイントをあらかじめ知っておくことがとても大事になります。

食欲は人間の最も身近な欲求の1つ。うまくいけば、生きがいや生活の楽しみ(QOL)に大きく寄与するでしょう。しかし、一歩間違えば窒息したり栄養が取れなかったりとリスクも大きいです。どうして食べてくれないのだろう…と悩むことがあれば、無理に口へ入れるのではなく、上に挙げた視点から一度原因を探ってみて下さいね。

食事介助に関する記事として

窒息や誤嚥を防ぐ!食事介助の前に確認しておく4つのこと

【食事介助マニュアル】正しい食事介助の方法とは!?

【食事介助】認知症の高齢者が口を開けてくれない理由と対応方法とは

【口内を清潔に】食事後の正しい口腔ケアの方法とは!

【緊急時】食事中の高齢者が誤嚥し、窒息した場合の対応とは!?

も参考になるかと思います!

適切な食事と、適度な食事介助により快適な食事を提供できると良いですね。

投稿者プロフィール

かめしめ
かめしめ
いつも閲覧ありがとうございます。

介護福祉士歴6年目。
介護の専門学校を卒業し、現役で介護施設に勤務しています。

ライター歴5年目。
主に雑記記事やまとめ記事をブログで投稿をさせて頂いています。

私の介護の知識が、在宅介護で困っている方達の助けに少しでもなれればと思います。
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