【介護の悩み】認知症の母が嫌い!そんな風に感じたら・・・。

『認知症の母が嫌い!もう一緒にいたくない!』

そんな言葉を最近よく耳にします。

近年の医療制度の充実により、多くの人が元気に長生きできるようになったのは素晴らしいことですが、同時に今、大きな課題となっているのが介護問題

とりわけ、母親が認知症になってしまった場合、娘さんにはかなりの負担が課せられることとなります。

今回は認知症の母親を介護していて、『母が嫌い!』となってしまっている方が、どう気持ちの整理をつけていくべきかを紹介していきます。

広告
広告

母が嫌いになるほど在宅介護は大変?

おばあさんを介助するおじいさん

『介護しているけど、母の事が本当に嫌い!』

残念ながらそういった言葉に対して、介護を経験した事がない人は『自分の母親が嫌いなんて、どれだけ冷たい人なんだ』と感じてしまうかもしれません。

しかしながら『認知症の母が嫌い』という気持ちは、介護に関わる娘さんの多くが口にする、とてもありふれた気持ちです。

【在宅介護で注意】「私って介護うつ?」その原因や対策とは?

親のトイレ介助が辛い。心身をどう切り替えればいい?

でも紹介しているように、自分の母親の在宅介護というのはそれほどまでに大変なのです。

なぜなら在宅介護といっても24時間つきっきりで介護だけに集中できるわけではありません。

十分な蓄えがあるご家庭ならともかく、そうでない場合は介護の合間にパートタイムで働いたり、子育てと介護を両立している人だって珍しくはありません。

そんな大変な毎日を過ごしていると、大好きだったはずの母親を憎く思う気持ちが芽生えていたり、すべてを投げ出して遠くに逃げてしまいたい衝動に駆られる時だってあるのです。

もし『介護している母の事が嫌い!』と言っている人がいたら、しっかりと話を聞いてあげてください。あなたが話を聞いてあげるだけで救われる時もあるはずです。

日々の介護に疲れているあなたへ。
あなたはけっして一人ではありません。
全国にはあなたと同じような苦しみ、葛藤を抱えた人がたくさんいます。

私はあなたの心が少しでも癒されることを願っています。

どうして『認知症の母が嫌い!』になってしまう?

街を彷徨うおばあさん

認知症の母親を介護しているといっても、なにも最初から母が嫌いだったわけではありませんよね。

では、どういうきっかけで母が嫌いとなってしまうのか、大きなふたつのパターンを紹介していきます。

同じ話を何度も何度も何度もしてくる。

認知症の中でも非常に多い症状が「何度も同じ話をしてくる」ではないでしょうか。

これがきっかけで『母の事がわからなくなった。』『母が嫌いで近寄りたくない』となるケースは珍しくありません。

初めのうちは「お母さん、それは前にも聞いたよ」と笑って流せるかもしれませんが、頻繁に、例えば5分に1回、同じことが繰り返されてしまうと、実の娘でもうんざりとしてしまうもの。

特に疲れている時にまた同じ話を切り出されると、ついつい「前にも聞いたって言ってるでしょう!」と怒鳴ってしまう事も。

もちろん、話している母親に悪気はありません
認知症という病気の症状がそうさせているだけなのです。
娘のあなたもそれを分かっているので、怒鳴ってしまってからひどく後悔するでしょう。

最初のうちは『母が嫌い!』となるわけではなく、どうして怒鳴ってしまったんだろう、なぜ我慢して聞いてあげられなかったんだろう、と自分を責めることの方が多いでしょう。

そんな自分への罪悪感もあいまって『実の母親を怒鳴って私はなんて冷たい人間なんだろう・・・。』『でも私だって怒鳴らなきゃ耐えられない・・・。』『こんなに自分を悩ませる、自分で自分を責める原因になっている母が嫌い。』となってしまうのです。

物忘れに困っている方は。高齢者は何で忘れる?物忘れの理由と5つの忘れ物防止グッズとはもご参考にしてください。

物盗られ妄想により、娘の自分を攻撃してくる。

また、母が嫌いになる原因で同じく多いのが「物盗られ妄想」。

財布や鍵などの貴重品を娘に盗られたと疑うパターンです。

例えば、認知症の母親自身がキッチンに財布を置いたのに、居間で『財布がない!』と言い出し、『あんたが盗ったんだろう!』と攻撃的に攻めてくる。といった状況ですね。

認知症の母親の世界では、キッチンに置いた事は忘れてしまい、
『自分は確かに居間に財布を置いたはずなのに見当たらない』
『誰かが盗ったに違いない!』

そういう時、一番そばにいるのは介護をしてくれている娘ですから
『財布をとったのはあの子しかいない』『娘に財布を盗られた!」となってしまうわけです。

もしあなたがキッチンから財布を見つけたとしても『あんたが隠してたんだ!』なんて言われる事も多いので、物盗られ妄想というのは対応がとても大変なのです。

疑いが高じて、認知症の母親から暴力をうけるケースも少なくありません。

自分はこれほど母親に尽くしているというのにどうして?日々、母が嫌いになっていく。
そんな思いで涙がこぼれてしまう時もあるのではないでしょうか。

自分を責める必要はありません。まずは深呼吸を。

こんな日々が続いていると、母が嫌いだ、母が憎いと思ってしまっても無理はありません。

あなただって1人の人間です。
イライラしたり、傷ついたりして当然なのです。

そのネガティブな気持ちから「母が嫌いだ」という感情に繋がってしまっても、誰もあなたを責めません。
それが心の正常な反応だからです。

むしろ、不当に虐げられても我慢我慢で、うつのような状態になってしまい、喜びも悲しみも感じなくなってしまっている方が危険です。
「自分を育ててくれた人なのに『母が嫌いだ』なんて思ってしまう自分は娘失格だ」なんて風に自分を責める必要はありません。

「母が嫌いだ」という感情は、あなたの心がSOSをあげているサインです。
そんな時は、一度ゆっくりと深呼吸をしてみましょう。
鼻から深く息を吸って、口から細くゆっくりと吐き切る。
お腹の底に残っている空気まで、すべて吐き出すつもりでやってみましょう。

これを何度か繰り返していると、少しは気持ちが落ち着いてくるのではないでしょうか。

落ち着いたところで、今度は母親側の思いに触れてみましょう。

嫌いな母が抱いている、娘へ思い

高齢の母を介助する娘

母親として娘に介護をしてもらっている状態はとても複雑な状態だと思います。

同性の娘はとても親密であり、気の合う相手であると同時に、どちらも同じ”女性”であるために相容れない部分もある・・・。

母親にとって、介護をしてくれている娘であるあなたは家族の中でもっとも親しい人間です

そして『同姓の娘ならこれ位してくれて当然』『同姓の娘になら頼みやすい』『同姓の娘ならわかってくれる』という秘めた思いが、あなたに対する強い当たりを生みだすこともあるのです。

例えばこれが息子と母親だったらどうでしょう。
息子に対してなら『自分がしっかりしなきゃ』『甘えてばかりいられない』『母親といえ女性の体なんだから、トイレなんて手伝わせちゃいけない』なんて気持ちも生まれることでしょう。もちろん、全ての息子と母親の介護がそうではありませんが。

母親が気負わず素の姿でいられるのは、夫の前でも息子の前でもなく、あなたの前でだけなのです。

娘というもっとも親しい存在だからこそ、もっとも分かり合える存在だと感じているからこそ、あなたに甘えてしまうのです。

だからといって母が嫌いという感情を抱くのは間違っているというつもりは少しもありません。ただあなたには特別きつくあたってくるという事は、母と娘の関係上、起こりえることだということもわかっていてほしいのです。

母が嫌いとなってしまう前に訪問介護などの介護サービスをうまく利用して、ある程度の距離を保つなどするのもとても効果的だと思います。

「認知症の母が嫌い」とならない為の3つのポイント

最後に、認知症の母と上手に向き合うためのポイントを紹介します。

①大事なことは紙に書いて確認を

認知症の母親が何度も同じことを尋ねてくる場合は、カレンダーなどの目立つ場所に答えを書いておいてあげるといいでしょう。

「大事なことはカレンダーに書いてある」という習慣をつければ、母親の方でもまずカレンダーを確認してくれるようになるかもしれません。

カレンダーが紙だらけになってしまうことも多々ありますが、何度も質問されるストレスが少しは軽減することでしょう。

②物盗られ妄想が解決する対応

せっかく毎日頑張っているにも関わらず、財布や鍵などを盗んだだろうと根拠もなく疑われてしまうと、ショックだったりカッとなってしまったりで、感情的に言い返してしまうこともあるかもしれません。

しかし、感情的に言い合いをしていても解決には繋がりませんよね。

そういう時は一度ゆっくりと深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてから、なぜ母親がそう思ったのかを聞いてあげましょう。

その後、なくした物を一緒に探してあげましょう。

物盗られ妄想への対応としては、『一緒に探す事で味方になり、認知症の母親自身に見つけてもらう』のが一番良いのです。

毎日クタクタになるまで家事に介護にと頑張っているのに、そんな疑いをかけてくる嫌いな母にいちいちそんなに時間をかけて対応していられない!、ともなるかもしれませんが、物盗られ妄想の対応は急がばまわれなのです。

 母親が見つけた時に『見つかってよかったね!もしまたなくなっても私が一緒に探してあげるから任せてよ!』なんて声をかけていけば、段々と安心していき、あなたに対して物盗られ妄想をすることが徐々に減っていくことでしょう。

③身近に相談できる理解者を!

たとえどんな対策を取ったとしても、残念ながら、母の介護が大変、母が嫌い、といった感情から綺麗さっぱり開放されるということはなかなかありません。

そこで、そんな悩みを1人で抱え込まずにすむよう、身近に理解者を見つけておきましょう。

一番よくあるケースとしては、やはり配偶者である旦那さんでしょう。

ただし、普段からあまり介護に関わってくれない旦那さんであれば理解が薄い場合もありますし、「仕事で疲れているから」と言って聞いてくれない可能性もあります。

なので、可能であれば、同じ境遇にいる仲間を見つけましょう。

住んでいる地域で見つけづらい場合は、ネットで在宅介護をしている人を見つけてみるのもようでしょう。とにかく、自分の素直な思いを吐き出せる場所を見つけることが大切です。

この記事にコメントをくれれば、私でよければいつでも相談に乗ります。

介護は世界全体の問題です。あなた1人で抱えなければならない問題ではありません。

周囲と協力しあいながら、ご自身に一番合ったやり方で母親と向き合ってみてくださいね。

他にも、当サイトでは家でお手軽にできる!憂鬱を吹き飛ばす3つの方法や、在宅介護の心配や負担を軽減!見守りや消臭などの便利グッズなど、在宅介護での負担を軽減する方法を紹介しているので、興味があればご覧ください。

広告
広告
トップへ戻る