これって過剰介護?在宅介護での高齢者との距離感とは

ご両親あるいは義両親が高齢になり、やがて介護が必要に・・・

そんな問題を抱えている、あるいは今まさに直面しているご家庭は少なくないと思います。

医療体制の充実によって高齢化社会が進み、介護の需要が高まっている昨今。

介護サービス付の有料老人ホームは入居希望者であふれ、仮に枠が空いていたとしても、高額な入居費用が高いハードルとなって立ちはだかる。

そんなご時世ですから、いざ介護問題が目の前の現実となった際、在宅介護を選ぶというご家庭も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな在宅介護時で陥りがちな「過剰介護」の危険性と「高齢者との距離感を保つ」ポイントをご説明いたします。

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過剰介護とは?

空にかざした手

『過剰介護』とは、読んで字のごとく「過剰に介護をしている」状態のこと。

でもどんなことが「過剰な介護」にあたるのか、よくわからないですよね。

そもそも介護とは「心身が不自由な方のできないポイントを手助けする」というもの

例えば、『足が不自由な高齢者の外出の手助けをする』というシーン。

松葉杖をついて自力で歩ける高齢者であれば、介護者は転倒してしまわないように注意を払いながら付き添って歩く事が『介護』になるでしょう。

足がほとんど動かず車椅子を使用している高齢者であれば、車椅子は自分でこいでもらって、介護者は道にある障害物を排除していくこと、危険な場所を伝えることが『介護』になるでしょう。

これが過剰介護の場合だと、

松葉杖をついて自力で歩ける高齢者なのにも関わらず、車椅子にのってもらう。

車椅子を自分でこいでいける高齢者なのにも関わらず、車椅子を介護者が押してしまう。

といった具合に、『自身で行えることまで介護している状態』を過剰介護と言います。

過剰介護というと、健康で元気な高齢者に対して何でもしてあげるいたりつくせりの光景を想像してしまいがちですが、過剰介護はこれらのように日常的に行われてしまっている場合が多いのです。

過剰介護は何が問題?

過剰介護をしてしまうとどんな問題点があるのでしょうか?

過剰介護をすることによって引き起こされる問題をいくつか紹介していきます。

高齢者が介護に依存してしまう

高齢者自身は、介護をされると生活がとても楽になります。

できないことをサポートしてもらっているのですから当然ですよね。

本当は頑張れば歩けるけど『足が不自由だから車椅子を使いなよ』なんて言われたらどうですか?

甘えてしまいますよね。

しかしながらそんな風に過剰介護される生活を続けていると、『自分は足が不自由なんだから車椅子を使ってもらうのが当たり前』といった心境になってしまい、段々と過剰介護をされている状態に依存していくのです。

そんな心境の時に『頑張って歩きましょう』なんて言われた所で『嫌です。車椅子は?』となってしまうんですね。

筋力や意欲が低下してしまう。

自身で行えることまでやってもらえる過剰介護の状態が続くと、

以前なら自分自身でやれたはずのことが段々とできなくなっていきます。

私達が運動をしなければできなくなっていくのと同じように。

そして自分で何もしなくても全てをやってもらえる生活を続けていると「自分で何かしようといった意欲」も低下していきます。

自身で行えることが減っていき、最終的には介護者の負担だけがどんどん増えていくといった負の連鎖が生まれてしまうわけですね。

こういった理由から在宅介護では、高齢者に対して過剰介護する事無くある程度の距離感を保ちながら、適切な量の介護を提供していく事が大切になってくるのです。

在宅介護では高齢者との距離感が大切

在宅介護の際、多くの場合、メインの介護者となるのは介護経験のない方でしょう。

介護職に従事していない限り、誰かのお世話をする機会なんてほとんどありませんからね。

介護経験なく介護をすることになった場合、過剰介護をしているという自覚はなく、高齢者に対して付きっ切りで介護しなくてはならないといった気持ちで過剰介護をしている場合も多いことでしょう。

しかしながら高齢者の中には「まだ自分でもやれるはずだ」と思っている方も多く、このような過剰介護をストレスを感じて怒り出してしまう人や、逆に「もっともっと介護をしてくれ」という反応をする人だっているかもしれません。

そんな時介護者は、自分の何がいけないのか?もっと介護しなくてはいけないのか?といった悩みを抱えてしまい認知症の母が嫌い!で紹介したようなような介護うつ状態に陥ってしまうことも。

過剰介護をしないためには、介護という行動の面でも、介護者の気持ちの面でも、高齢者との適切な距離感を保つ事が大切になってくるのです。

高齢者と適切な距離感を保つには?

間違った距離感で接してしまうのは、

介護が必要になった時にどれだけ介護をしたら良いかわからず、頑張ろうと思うあまり距離感を見誤ってしまうのが主な原因ですが、こうした事態を避けるためにはどうすればいいのでしょうか。

いくつかのポイントをご紹介いたします。

疲れているサラリーマン男性

高齢者と寝室を別にし、睡眠時間だけは必ず確保する

24時間介護のため、高齢者と同じ部屋で寝起きしているという方もいらっしゃるかと思います。
しかしそうしてしまうと、わずかな気配を感じて夜中に飛び起きたり、横になっていても熟睡はできなかったりと、介護者は満足に休むことができません。

介護に臨むためには、最低でも6時間、できれば8時間以上の睡眠をとって、万全の状態に体調を整えておくべきです。

介護から少し意識を遠ざける時間として、睡眠時間をしっかりと確保することで高齢者との適切な距離を作る第一歩になります。

特別な理由が無いのであれば、寝室は別々にしておきましょう。

毎日が介護だけで終わってしまわない環境を作る

大切なのは「介護から離れる時間」です。

介護だけで一日が終わる毎日が続いてしまっては、疲労やストレスがすぐに限界点を超えてしまいます。

そのために、もし今働いているのであればできるだけ介護離職は避けましょう。
職場という環境で自分のアイデンティティを保つことは、長期にわたる在宅介護期間の中で非常に重要なポイントとなります。

もちろん、仕事と介護の両立は大変なことだと思います。

ですので、まずは在宅介護中であるという事情を職場に伝え、できるかぎりの配慮をしてもらえるようにしてもらいましょう。

在宅介護をうまく乗り切るためには、周囲の理解とサポートを得ることも大切です。

働いていない方の場合、ご自身の趣味やお稽古ごとを辞めずに続けてください。

その時間でしっかり気持ちのリフレッシュを行い、余裕をもって介護に臨むことで、高齢者にとっても心地いい環境を作り出せることでしょう。

家族や親戚間で介護の分担を決める

新人介護者が陥ってしまいがちな「何でも自分1人でやらなければいけない」という思考パターン。

場合によっては周囲からそのような考えを押し付けられるケースがあるかもしれませんが、これは大きな間違いです。

在宅介護は1人で乗り切れるほど簡単なものではありません。

病院や介護用施設だって、2交代3交代制で介護にあたっています。
介護に不慣れな一般人が、たった1人、24時間付きっきりで介護できるはずがないのです。

ですから、在宅介護をするとなった場合、まずは家族間で介護の分担について話し合いましょう。
必要に応じて親戚にも協力をお願いしてみましょう。

毎日お手伝いしてもらうことは難しくても、週末の数時間だけ介護を代わってもらったり、話し相手になってもらったり、病院への送り迎えに車を出してもらうなど、ちょっとしたことでも助かることは多いはずです。

介護者の方は、その時間を活用して不足しがちな睡眠時間を補ったり、ご自身がリフレッシュするための時間に充てるといいでしょう。

デイサービスなどの介護システムを活用する

家族には介護をサポートするだけの余裕がなく、周囲に頼れる親戚もいない・・・
そうなった時には、訪問介護などの介護システムを活用しましょう。

ピンク色のつぼみ

介護度の認定を受ける手続きを済ましている方であれば、介護度の認定を受けた後、担当のケアマネージャーさんがいるはずなので、その方に相談してみるとよいでしょう。

こういった介護システムは、介護保険の限度額内で利用すればほとんどの方は1割負担で利用できるため、そこまで高額になることもなく利用できます。
1月あたりの介護サービスの利用限度額はこちら

今すぐ介護システムのサポートが必要であればもちろんのこと、まだサポートはいらないという場合であっても、どんな介護サービスがありどれくらいは利用できるのかを調べておくだけで安心感に繋がります。

介護が落ち着いているタイミングを活用し、もしもの時のための情報収集をしておくと良いですね。

まとめ

以上、在宅介護で陥りがちな「過剰介護」の危険性と、「高齢者との距離感を保つ」ポイントについて紹介しました。

過剰介護をして、高齢者自身のできることを減らしてしまったり、介護者への負担をむやみに増やしてしまわないためにも、どれほど親しい間柄であっても適度な距離感を保つことが大切です。

在宅介護を始めた最初のうちは、「のめり込みすぎない」ということを意識しながら行っていけると良いですね。

最後まで閲覧ありがとうございました。

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