【在宅介護と介護施設】費用はいくら違ってくるの?

介護保険制度において「要介護者」または「要支援者」と認定された方(以下「要介護者等」)の数は621.5万人にものぼる昨今。
(厚生労働局調べ『介護保険事業状況報告の概要(平成28年4月暫定版) 』より)

両親や義両親が要介護者等と認定された時、あなたならどうしますか?

介護付き有料老人ホームや老人保健施設などの介護施設でサービスを受けられれば安心ですが、お金の都合もありますし、なかなか即決はできませんよね。
そういう時「在宅介護」を選ぶ方は少なくないと思います。

今回はそんな在宅介護にかかる費用や介護施設の費用について比較してみました。

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1月あたりの介護サービスの利用限度額

男性から説明を受ける夫婦

いきなり難しそうな話をしてしまいますが、介護の費用を考える上でとても重要になってくるポイントが、

介護認定を受けていれば、介護サービスは一定額内であれば原則1割負担(人によっては1~3割負担)で受けられるという点。(介護認定を受ける方法は介護認定を受ける手続きをどうぞ)

限度額は、

【要支援1 50,030円】
【要支援2 104,730円】
【要介護1 166,920円】
【要介護2 196,160円】
【要介護3 269,310円】
【要介護4 308,060円】
【要介護5 360,650円】

と決まっており、

例えば、
要介護1の方であれば、『166,920円』までの介護サービス利用であれば『16,692円』の自己負担。
要介護5の方であれば、『360,650円』までの介護サービス利用であれば『36,065円』の自己負担ですむという形になってきます。

「要介護でも1~4万円程度の自己負担か」と思われるかもしれませんが、

例えば要介護1の方に『366,920円』の介護サービスを利用した場合、

「366,920円」-「166,920円」(限度額)=『200,000円』

『16,692円』(1割負担額)+『200,000円』=『216,692円』

という形になり、『216,692円』の自己負担になってきてしまうんです!
(※1割負担で計算しています。)

というわけでここからの内容は、介護を必要としている人の状態によって介護にかかる費用は大きく変わってくるということを念頭において参考にして頂ければ幸いです。

在宅介護の費用はいくら位?

一人あたりの在宅介護の費用、平均値・中央値

年金手帳とお金

在宅介護のお金と負担 2016年調査』によると、
在宅介護にかかる費用は、平均値はおよそ50,000円/月。

このうち
介護サービスへの支出」が16,000円/月
介護サービス以外への支出」が34,000円/月となっています。

※介護サービス以外への支出は、介護用品、税、社会保険、医療費等になります。

ただし、中央値は33,000円/月(介護サービスへの支出:6,000円/月、介護サービス以外への支出:16,000円/月)となっているため、在宅介護をしている人達の中で、平均値以上の高額な支出をした人が一定数いたことになります。

先ほども紹介したように限度額を超えた場合、高額な自己負担額が発生することもありえますので、平均値や中央値はあくまで参考値であることをお忘れなく。

※中央値とは、支出額を高低順に並べた際、そのちょうど中央に位置していた方の値を指します。

要介護度ごとの在宅介護費用の平均値

以下に要介護度ごとの在宅介護費用の平均値をまとめました。

【全体平均】 50,000円/月

【要介護1】  33,000円/月
【要介護2】  44,000円/月
【要介護3】  60,000円/月
【要介護4】  59,000円/月
【要介護5】  74,000円/月

要介護度が高くなればなるほど、在宅介護にかかる費用も増えています。

介護がより必要になってくると、利用する介護サービスが増え1割負担の支給限度額内に収まりきらないことが多い というのも理由のひとつですね。

在宅介護の費用、実際いくら位かかる?

もちろん、在宅介護にかかっている費用は「要介護度」だけでなく「家庭の環境」によっても変動します。

介護サービスやその他の介護に関わる出費の平均が5万円程度でしたので、それを元に毎月かかるであろう出費を考えていくと、

【介護に関わる出費 5万円】
【家賃       5万円】
【食費       5万円】
【光熱費等     1万円】
【衣類       5千円】

【トータル16万5千円】

程度でしょうか。
私が以前、要介護度4の祖母を在宅介護をしていた時は家賃がかからなかったことと、1割負担内で介護サービスを利用していた為、毎月11万円程度の出費でした。
費用はすべての家庭によって変わってくると思いますが食費や衣類、光熱費などはどのご家庭にもかかってくるものでしょう。

介護サービスにも様々な種類があり費用もそれぞれ違ってくるため、在宅介護の費用を本格的にシミュレーションしたい場合は一度ケアマネジャーに相談することをおすすめします。

介護施設を利用したときの費用はいくら?

おじいさんの乗る車椅子を押す女性

在宅介護ではなく、介護施設を利用した場合はどのくらいの費用がかかるのでしょう。

こちらも要介護度別に調べてみました。

【全体平均】 126,860円/月

【要介護1】  123,720円/月
【要介護2】  125,070円/月
【要介護3】  126,930円/月
【要介護4】  128,520円/月
【要介護5】  130,050円/月

(厚生労働省 2017年8月調べ)
※ユニット型個室(従来型)の介護老人保健施設を利用した場合
※介護保険1割負担額の場合

介護施設を利用する場合、要介護度に関わらず一定の賃料・食費が発生します。

在宅介護の場合、要介護度が低いと支出を抑えられる傾向にありますが、介護施設の賃料・食費においてはその限りではありません。

しかしながら、食費や賃料、介護サービス、生活費、すべて含めてこの程度の料金という点では、とても良心的な金額だと思います。

介護施設と在宅介護の費用、結局どちらがいいの?

介護度が低い場合であれば、在宅介護をしたほうが良いでしょう。

生活費などを家庭なりのやり方で抑えられる点がありますし、
家賃が発生しないのであればその分の金額も浮いてきます。

介護をそれほど必要としていないのであれば、介護する側の心身の負担も少ないでしょうから。

逆に介護度が高い場合であれば、介護施設を利用したほうが良いでしょう。

介護施設を利用した方が、要介護者・介護者ともに心身への負担は軽減されることでしょうし、賃料、食費、光熱費などの生活費、介護サービス、すべてを含めての金額ですので、

「今月は食費がかさばって・・・」「暖房や冷房代が多くかかって・・・」なんて風に、費用が大きく変動することのない安心感がありますね。

介護を必要とする方が増えている現代では、できるだけ在宅介護をしていくことが大切ですが、要介護度が上がり在宅介護費用がかさんできた時には、心身の負担も考え、在宅介護か介護施設のどちらが良いのかを比較検討してみると良いでしょう。

いかがでしたか?

今回は在宅介護の費用と介護施設の費用がいくらかかるのか紹介させていただきました。

意外に安いな」と感じた方、あるいは「思ったより高いな」と感じた方、さまざまいらっしゃるかと思います。あくまで平均の数値ではありますが、要介護者と向き合うための参考のひとつにしてくださいね。年金で在宅介護の費用をまかなえるのか?も参考にしてください。

資金に視点をあてて書いてきましたが、在宅介護で必要になるのは資金だけではありません。なにより、要介護者を支えるあなたの存在(=介護者)が大事なのです。

あなたがどの程度要介護者と向き合い、お世話に時間を割くことができるか
それにより、在宅介護の費用も大きく変動します。

在宅介護か介護施設かを選ぶための材料として、メリット・デメリットをまとめた記事もありますので、参考にしてください。

また、万が一にもあなたが介護疲れで倒れてしまっては、それこそ本末転倒です。

言うまでもなく、身体はなによりの資本ですし、場合によってはあなたの医療費も追加でかかってしまうかもしれません。

そんな事態に陥らないよう、費用面の検討だけでなく、どのように要介護者と向き合うかをじっくり考えてみてくださいね。

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