アルツハイマー型認知症の主な症状と対策方法とは

ひとくちに「認知症」と言っても、その種類はいくつかに分類されていることをご存知でしょうか。

認知症の種類によって現れる症状もさまざま。
もちろん、その対策も種類によって異なります。
認知症と上手に向き合うためにも、まずは認知症の種類を知り、それぞれの症状・対策を知ることが大切です。

今回は認知症の中でも特に患者数が多いといわれる「アルツハイマー型認知症」にスポットを当ててご説明いたします。

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まずは認知症の種類を知りましょう

悩みを抱えるおじいさん

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中でもとりわけ多いと言われている症状で、その割合は認知症全体の半数以上を占めています。

単に「アルツハイマー」「アルツハイマー病」と言う場合もこちらの症状を指します。

男性よりも女性の方がより多く発症しやすいとされており、現在もなお患者数が増加しているのが特徴です。

本記事ではこちらのアルツハイマー型認知症について、その症状や対策までを詳しく掘り下げていきます。

レビー小体型認知症

前述のアルツハイマー型認知症に次いで多い症状で、認知症全体の約20%がレビー小体型認知症だと言われています。

こちらは女性よりも男性に強く現れやすい症状で、レビー小体型認知症を患っている男性患者数は、女性患者数の2倍にも至るという報告もあります。

脳血管性認知症

レビー小体型認知症と並んで多いタイプの認知症で、認知症全体の約20~30%が脳血管性認知症と言われています。

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の病気のため、脳の細胞に十分な酸素や栄養が送られなくなることで引き起こされます。

その他の認知症

他にも「前頭側頭型認知症(FTD)」や「アルコール性認知症」、「若年性認知症」などさまざまな種類がありますが、認知症患者の大半が上記①~③の症状に当てはまるとされています。

詳しく知りたい!という方は、アルツハイマーだけじゃない認知症の種類をご覧ください。

アルツハイマー型認知症の主な症状は?その原因とは

アルツハイマー型認知症の症状には、大きく分けて以下の3つがあります。

①記憶障害

アルツハイマー型認知症の代表的な症状が「物忘れ」です。

簡単な「物忘れ」程度であれば誰しも経験したことがあると思いますが、忘れていることを指摘されると「そういえばそうだった」と思い出すことができるでしょう。

しかし、アルツハイマー型認知症の場合はそうもいきません。
体験そのものを記憶していないため、記憶の一部すら思い出すことができないのです。

たとえば、友人と会う約束を忘れてしまっていた場合。

私達であれば、指摘されると「何時に約束したかは忘れてしまったが、会う約束をしたことは思い出した」というように、一部の記憶だけでも思い出すことが可能です。

しかし、アルツハイマー型認知症を患っていると「友人と会う約束をした」という記憶そのものが定着していないため、「そんな約束をした覚えはない」となってしまうのです。

②判断能力の低下

アルツハイマー型認知症を患うと、判断力も著しく低下してしまいます。

たとえば横断歩道を渡ろうとした場合、どのタイミングで足を踏み出せばいいかの判断ができなくなり、さらに症状が進行すると横断歩道の真ん中で立ち往生してしまうケースもあります。

こうした判断力低下の症状は日常生活にも現れ、料理の手順が分からなくなったり、掃除の仕方を忘れてしまったり、捨てるべきものと取っておくべきものの判断ができずにゴミが増えたりします。

ただ、こうした「記憶障害」や「判断力の低下」といった症状は、アルツハイマー型認知症を患っている場合に限らず、高齢になるにつれ現れやすい症状なので、アルツハイマー型認知症だと気付かずにいる場合があります。

気付かないうちに症状が進行してしまった、ということがないよう、少しでも気になる言動が見られた時には一度病院で診察を受けてみることをお勧めします。

③見当識障害

上記2つの症状に比べるとやや聞き慣れない症状かもしれませんが、時間や季節、今いる場所、会話中の相手の顔など、自分が今置かれている状況が分からなくなってしまうという症状です。

具体的な症例としては、アナログ時計が読めなくなるケースなどが挙げられます。

デジタル式だと問題なく読めるのに、なぜかアナログ式の時計だと今の時刻が分からない。
こうした症状が進行すると、やがてデジタル式でも時刻を把握することが難しくなってしまいます。

また、自分のいる場所が分からなくなってしまうため、外出先で迷子になってしまう、家の中にいてもトイレの位置が分からなくなってしまう・・・
また、トイレの前に立ってもドアの位置が分からなくなり、そのまま失禁してしまうこともあります。

④その他の行動・心理症状

大事なものがなくなった時、身近にいる家族に盗られたのだと思いこんでしまう「物盗られ妄想」や、外へ出てウロウロする「徘徊」、入浴を嫌がるなどの「介護拒否」などがよく見られる症状です。

これらは決して本人の不注意やわがままではなく、アルツハイマー型認知症がもたらす症状です。

実際にこうした症状と向き合うのは体力的・精神的にも大きな負担となりますが、「これはアルツハイマー型認知症という病気のせいなんだ」と認識しておくことはとても重要です。

こうした症状が引き起こされる原因とは

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウと呼ばれる特殊なタンパク質が脳に蓄積され、神経細胞が壊れて死んでしまい、その数が減少することで引き起こされると言われています。
また、脳全体も萎縮していってしまうため、徐々に身体の機能も失われていきます。

こうした変化がやがて上述の症状などに繋がっていくのですが、実は、脳での異変は明確な症状が現れる何年も以前から起きています。

若年性認知症の一部には家族に遺伝する「家族性アルツハイマー病」もあります。

アルツハイマー型認知症に対する治療薬は、早期から投与することで症状の進行度合いを緩やかにするとの報告もあります。

これまでになかった言動が目立つようになったり、家族や親族に家族性アルツハイマー病の患者がいる場合は、早期発見・治療を心がけましょう。

アルツハイマー型認知症の対策を知りましょう

太陽に照らされる砂浜

①少しでも不安を感じたらすぐに病院で受診を

アルツハイマー型認知症の進行スピードには個人差があり、徐々に物覚えが悪くなる場合もあれば、突然ひどい症状が現れるケースもあります。
少しでも記憶障害などが疑われる場合、できる限り早く病院を受診しましょう。

アルツハイマー型認知症は早期発見・治療が大きなポイントとなる病気です。

小さくても不安を感じ取ったら、すぐに行動することが大事です。

なお、病院を受診するにしても何科に行けばいいか分からないという場合、まずは「精神科」「神経科」「神経内科」「老年病内科」「老年内科」などに行ってみるのがいいでしょう。
最近では認知症の治療を専門とした「物忘れ外来」がある病院も多くなっています。詳しくは、認知症を遅らせれる?もの忘れ外来や認知症専門外来とはをご覧ください。

②同じ話題を繰り返されても怒らない

アルツハイマー型認知症を患ってしまうと、同じことを何度も何度も繰り返し話したり聞いたりします。
記憶障害のため「さっき話したこと」「さっき聞いたこと」自体が記憶できずにいるためです。

最初のうちは我慢して聞いているものの、そのうち我慢できなくなって「それはもう話したでしょう」といった風に声を荒らげてしまうこともあるでしょう。
話題に飽きてしまい、半分以上を聞き流してしまうこともあるかもしれません。

しかしそうしてしまうと、本人には「怒られた」「ないがしろにされた」というマイナスな記憶だけが残ってしまい、認知症初期に見られるうつ傾向に繋がる可能性があります。

そうならないためにも、同じ話題が繰り返されても怒らず、できるかぎり話に付き合ってあげることが大切です。

ただ、そうすると聞き手側に負担が蓄積されてしまう場合があるため、興味を持ちやすい別の話題にうまく繋げてみてはいかがでしょうか。

③本人が生活しやすい環境を整える

アルツハイマー型認知症にかかると、これまでは当然のようにできていたこともできなくなってしまいます。
そんな時、できない本人を責めるのではなく、どうすれば本人が生活しやすくなるかを考えてあげることが大切です。

たとえば、「トイレ」と書いた紙をトイレのドアに貼ってあげたり、物の置き場所や買出し内容を紙に書いて貼り出してあげたり、薬の飲み忘れがないよう1回分の飲み薬をカレンダーに貼っておいてあげたり・・・

こうした工夫を凝らすことで本人の不安も和らぎますし、うまくはまれば介護者の負担を軽減することもできるかもしれません。

症状には個人差があるため、普段の本人の様子をよく見ておいて、どういう場面で困っているかを把握することが大切です。

今回の記事のまとめ

今回は認知症の中でも最も多い「アルツハイマー型認知症」について、その症状や対策をおまとめしました。

先にも書いたとおり、アルツハイマー型認知症は早期発見・治療が有効とされている病気です。

ただの物忘れ、ただのうっかりだと思わず、少しでも疑わしい言動があればすぐに病院を受診することをおすすめします。また、健康的な毎日を過ごすための、認知症を予防する3つの方法も参考にしてください。

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